2013年5月30日木曜日

本堂に空調設備を設置③設計編

思い切って相談してみた佐藤英治さんは空調のスペシャリストで、イーエス・アソシエイツという設備設計の会社の代表取締役をされております。金沢21世紀美術館(SANNA妹島和世+西沢立衛)をはじめ、せんだいメディアテーク(伊東豊雄)、森の学校キョロロ(手塚貴晴+手塚由比)など多数の有名建築の空調設計を担当されるだけでなく海外出張や東日本大震災の被災地でのボランティア活動など多岐に渡るご活躍をされてお忙しい日々を送られているにも関わらず、初めてコンタクトをとった翌週には東京から金沢まで足を運んでくださいました。


その時、「問題なく床下空調を設置できます」との力強いひと言をいただき、ひと安心。


それから間もなくして、機器の配置などのラフスケッチなどが送られて、何度もメールのやり取りをして、なんとか年内に機器の選定や仕様の決定まで漕ぎ着けました。詳細な仕様の掲載は避けさせていただきますが、広い空間にたった2台のエアコン。床下に室内機を設置して床面に吹出し口と吸込み口を設けます。

2013年1月、施工工事を地元の北菱電興さんに依頼。北菱電興の工事部門である北菱設備システムさんに施工していただくことになりました。

吹出し口の位置や数、デザインや色などの選定に苦労しました。
特に吹出し口については当初の位置に設置が難しいことが判明し、試行錯誤の繰り返しになってしまい、北菱さんと佐藤さんにはご迷惑をおかけしましたが、なんとか3月中に最終的な仕様や金額を決定することができました。

見積もりも当初想定していた予算内に収めることができ、また電気代もエアコンの台数も少ないために、想定よりもかなり低い金額で抑えることができそうです。


次はいよいよ工事です。
続く。



本堂に空調設備を設置②検討編

◯エアコンの設置を検討し始めて見えてきた課題

・環境負荷。原子力発電所の問題やCO2の排出量など環境問題。
・空調方式。本堂は空間が広く天井高もあるので通常のエアコンで対応できるのか。
・建物への負担。古い大切な本堂なのでなるべく補強や加工等を避けたい。
・意匠。厳粛な雰囲気を壊したくない。
・金銭的な問題。工事費はもちろんのこと、ランニングコストも心配。


◯これらの問題に出来るだけ対応できる空調方式とは?

結論から言いますと、天井埋め込み型や床置き型など色々と検討した結果、床下空調を採用しました。


ヒントは21世紀美術館でした。
21世紀美術館の空調は床面とガラス窓の間にスリットがあり、そこから冷気や暖気が出てくるというもので、以前からとても気になっていました。後から知ったのですが、床が二重構造となっており、床下全体にも空調から排出された空気が行き渡っているそうで、床暖房効果もあるようです。

そこで床下空調について調べてみました。

メリット
・効率が良い。地上2m位までしか空調しないらしい→天井高がある本堂に最適。当然環境負荷やランニングコストの低減にも貢献するはず。
・吹出し口と吸込み口しか露出しない→意匠の問題もクリアできるはず。また当寺は縁の下が高いためエアコン本体などの機器類を収めるためのスペースも十分だし、建物への負担も少なくて済むはず。

なんだか本堂の空調にピッタリな方式な気がしてきました!
しかし、不安材料も・・・

・果たして既存の木像建築物に設置できるのか。
・どこにお願いすればいいのか。
・既成品では対応できないであろうから金銭的に無理なのではないか。


思い切って、21世紀美術館の空調を設計された佐藤英治さんにコンタクトをとってみました。2012年の9月に入った頃のことでした。

続く。






本堂に空調設備を設置①導入理由


 導入理由

本堂にエアコンを設置する・・・


「えっ、お寺って涼しいんじゃないの?」

「はい、昔はそうだったのですが、昨今の温暖化に伴う猛暑の日々、真夏の法要は僧侶も参詣人も熱中症覚悟と言っても過言ではないくらい過酷なものになっております。」

また温暖化以外にも様々な原因が考えられます。
・十数年前に行った本堂改築に伴う気密性の向上(熱が逃げにくくなりました)
・ステンレス製瓦を採用した為日差しが焼け込み易くなった。
・基礎が高くなったことにより、日当たりが良くなり西日の影響を受けやすくなった。



「冬は寒いのでしょう?」

「いえ、業務用ストーブを4台設置していますので、十分温かい空間を提供できております。」

しかし問題点も・・・
・ストーブの騒音。読経や法話の妨げになってしまいます。
・燃費が悪い。一台につき20Lの灯油を飲み込むのですが、あっという間に空っぽ。
・天井が高いので温かい空気が上がってしまう為に効率が悪い。
・乾燥し過ぎる為に大切なケヤキの柱に亀裂が生じてきている。

色々言い訳がましいことを書いてしまいましたが、エアコンの設置を本格的に検討し始めたのは、去年(2012年)8月のことでした。

続きます。




2013年5月29日水曜日

「おてらくご」大盛況でした


去る5月10日、「おてらくご」が当寺に於いて開催されました。
「おてらくご」とは「おてら」+「らくご」の造語で要はお寺を会場として落語を縁に仏法にも触れていただこうという企画です。

初めての開催でワクワク・ドキドキでしたが、116名の方が集まって下さり、ほぼ満堂。
雨天の夜にもかかわらず、足をお運び頂きましてありがとうございました!


式次第はこんな感じ。



正信偈のお勤めと法話ではiPadとプロジェクターを駆使。
自炊した赤本(正信偈の勤行集)や法話のネタや上記の式次第なんかを仕込んだiPad miniをApple TVを接続したプロジェクターに無線LAN経由で出力しました。本堂には無線LAN環境がなかったため、iPhone5でテザリング機能を利用して無線LAN環境を構築。また噺家が登場する際に流す出囃子もiPhoneから出力しました。

今回初めて勤行集ではなく、iPadを持ってお勤めをさせていただきましたが、とても見易かったとのことで評判も上々でした。

私が担当させていただいた法話・・・「笑いの世界と念仏の世界」〜親鸞聖人は何を喜びとされたか〜という講題でお話させていただきました。こちらでもiPadが大活躍。

そしてお待ちかねの落語。
立川吉幸の登場と共に雰囲気が一変。
終始本堂が笑い声で包まれておりました。流石プロ!!
実は今回初めての生落語(汗)いや〜ぁやっぱり生は違いますね!大興奮の一日となりました。



吉幸さん、楽しい時間をありがとうございました〜!
志ららさんも交えた懇親会も楽しゅうございました。

また開催できたらいいな〜



聞善寺さんと本泉寺さんの二会場もスタッフとしてお手伝いさせていただきましたが、大盛況でしたよ〜♪